更新日 2018年05月15日

お葬式で配られる「清めの塩」の意味と使い方

お葬式で配られる「清めの塩」の意味と使い方

お葬式に参列すると、お礼状と一緒に清めの塩も渡されるのが一般的です。
なぜお葬式の後には塩が配られ、この塩で何を清めるのでしょうか?
清めの塩の意味を使い方と合わせてご紹介します。

もともとは神道の考え方に由来

塩に清めの力があるというのは、神道の考え方からきています。お葬式の後だけでなく、相撲の取り組み前に塩をまくのも、厄除けのために塩をまいたり盛り塩をしたりするのも、由来は同じです。
神道は仏教やキリスト教のように始めた人がいるわけではなく、日本人が生活していく中で築き上げてきた信仰が体系化されたもの。
その歴史は古く、弥生時代にはすでに豊作を願う儀式が行われていたことがわかっています。
神道では、死は「穢れ(けがれ)」と考えられています。

一方で塩は腐敗を遅らせ、焼いても消えることがないほど安定しており、塩には不浄なものを祓う力があると考えられてきました。
なお、神道では死を穢れとして扱いますが、これは故人が穢れているというわけではなく、死に寄り集まってきた邪気のことを指しています。
お葬式だけではなく、相撲や厄払いでも塩が使われるのは、邪気を祓うためなのです。

宗派によって考え方が異なる

塩に清めの力があると考えているのは神道の考えで、仏教には死が穢れであるという考えはありません。
このため仏教には清めの塩という考えもなく、特に浄土真宗は清めの塩の考え方に強く反発する立場を取っています。
しかし、日本に仏教が伝わってきたのは6世紀前半のことで、平安時代の半ばころには神道と仏教の境界は曖昧になっていました。
現在もこの傾向が続いており、お葬式が神式でも仏式でも、とりあえず清めの塩を配るのが一般的となっています。
仏教と同じくキリスト教にも死が穢れという考えはないため、キリスト教式のお葬式においても清めの塩という考えや塩を配る習慣はありません。

清めの塩の正しい使い方

清めの塩の役目は、お葬式に参列したことで着いてきた穢れ(邪気)を、家の中に入れる前に祓うことにあります。このため、清めの塩を使うタイミングは家に入る前です。
塩をひとつまみし、胸、背中、足元の順にかけ、最後に手で払います。
塩の量は多くなくてもいいのですが、体にふりかけた塩には穢れが移っているので、必ず払ってから家の中に入ります。

体にかける順番は血の巡る順番です。これは、穢れは血の流れに乗って体の中を巡ると考えられているため、このような順番で祓います。
一人の場合は自分自身で行ってもいいのですが、家族が一緒にいる場合は自分ではなく家族にやってもらうと良いとされています。
もし忘れて家の中に入ってしまっても、また玄関の外まで出てきてお清めをすれば問題ありません。

清めの塩の正しい使い方

お葬式の時に渡される清めの塩の意味と使い方についてご紹介しました。
宗派によって考え方は異なりますが、現在は習慣的に渡されているケースがほとんどですので、ご自分の考えに従って清めの塩を使うと良いでしょう。

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