更新日 2018年07月31日

【宗派別作法】日蓮宗の葬儀における作法

お通夜に参列する人が心得ておくべきマナー

仏教と言っても宗派が複数あり、それぞれで葬儀の流れや作法が異なります。葬儀に参列する際は、どの宗派で執り行われるのか知っておき、出来る限りその場に適した作法で焼香などを行うようにしましょう。
ここでは、仏教の宗派のひとつである「日蓮宗」を取り上げ、日蓮宗の葬儀の特徴、流れ、参列する際に心得ておきたいご焼香の作法などをご紹介します。

日蓮宗の葬儀の特徴

日蓮宗は日蓮聖人が開いた仏教の宗派のひとつです。日蓮聖人の教えによれば、日蓮宗の経典である法華経の功徳が込められている「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」という7文字のお題目を唱えることで、信者の信仰が深まるとされています。
南無妙法蓮華経を繰り返し唱えることで、法華経に対する信心深さを示すことができるとされ、死後、霊山浄土(りょうぜんじょうど)で釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)と会って成仏できるとされています。
このことから日蓮宗の葬儀では南無妙法蓮華経を唱えることが重要視されており、葬儀の中でも頻繁に唱えられることが多いです。また、参列者も一緒に唱えることで、故人が霊山浄土で釈迦牟尼仏と会い成仏することを手助けすることができるとされていて、参列者にも唱和することが求められます。
日蓮宗の葬儀に参列する際は、南無妙法蓮華経を唱える、ということをまずは覚えておきましょう。

日蓮宗の葬儀の流れ

日蓮宗の葬儀の流れは以下の通りです。

1 道場偈(どうじょうげ)
諸仏、諸尊を招くものである道場偈という声明曲を流します。

2 三宝礼
仏法僧の三宝を礼拝するのが三宝礼です。起立、着席を繰り返すので、起居礼(きこらい)とも呼びます。

3 勧請(かんじょう)
本師釈迦牟尼仏、四菩薩、諸仏諸尊、日蓮聖人を招くために行う儀式です。

4 開経偈(かいきょうげ)、読経、咒讃鐃鈸(しゅさんにゅうはち)
開経偈とは、法華経の功徳を讃える儀式です。読経では肝要とされる諸品を拝読し、咒讃鐃鈸は諸仏供養の声明曲のことで、ここで演奏されます。

5 開棺
ご僧侶様が棺の前で焼香をし、棺の蓋を3回打ち鳴らしながら、開棺の文を唱えます。

6 引導
ご僧侶様が霊前で払子(はっす)を3回振り、焼香を3回行い、引導分を読み上げます。

7 焼香、祖訓、唱題
日蓮聖人の遺文を拝読する祖訓を行い、唱題に入ります。唱題では、参列者も一緒に南無妙法蓮華経を唱え、唱題の間に焼香を行います。

8 宝塔偈、回向
宝塔偈と呼ばれる偈文を唱え、死後の安寧を祈る回向を行います。

9 四誓、三帰、奉送
人々を救う誓いの言葉である四誓、三宝に帰依にして仏の道を進むことを誓う三帰、諸仏、諸尊をお送りする奉送を行います。

日蓮宗の葬儀における作法

お通夜に参列する人が心得ておくべきマナー

日蓮宗では、参列者は1~3回ほどのご焼香を行います。
祭壇の前で遺族に一礼し、それから参列者に一礼。焼香台の前で合掌して一礼をし、香を右手親指と人差し指で軽くつまんで額まで持ち上げ、香炉にくべます。その後、再び合掌します(数珠は左手に房が下になるようにしてかけておき、合掌するときは両手で挟むようにしましょう)。ご焼香が終われば、遺影に向いたまま二、三歩後ろに下がり、遺族と参列者に一礼して席に戻るのが、日蓮宗の焼香の作法です。
日蓮宗における数珠は菊房と呼ばれるものを使用するのが一般的ですが、宗派が違い、数珠の形状が違う場合は、無理に新しく買いなおす必要はありません。

日蓮宗における葬儀の特徴や流れ、作法についてご紹介しました。日蓮宗の葬儀に参列する際の参考にしてみてください。

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