更新日 2018年08月21日

【宗派別作法】浄土真宗の葬儀における作法

【宗派別作法】浄土真宗の葬儀における作法

文化庁の2017年度版「宗教年鑑」によると、日本の仏教で信者数がもっとも多いのは、浄土真宗本願寺派の791万9,171人。その次に多いのが784万9,887人の真宗大谷派だそうです。
つまり浄土真宗が日本の仏教界で、第一位と二位の信者数を有しているわけです。この事実から今後葬儀に参列する場合、他の宗派に比べ浄土真宗の可能性が高いと言えるでしょう。
多くの人にとって参列する機会が多い浄土真宗の概要と葬儀の特徴、焼香のマナーなどをご紹介します。

浄土真宗とは?

浄土真宗は、浄土宗の開祖である法然上人の弟子だった親鸞聖人が開宗しました。
現在いくつかの宗派があり読経の節など細かな違いはありますが、教義内容など根本は同じです。
浄土真宗の教義といえば「阿弥陀如来の本願力によって」「念仏を唱えれば浄土に生まれて仏となる」というもの。
この教義が浄土真宗の葬儀の特徴に色濃く反映されています。

浄土真宗の葬儀の特徴-その1-

浄土真宗の「阿弥陀仏を信じれば、仏となって極楽浄土に行くことができる」という教えは、浄土真宗の葬儀の特徴に表れています。
例えば「葬儀は故人の供養のために行われるものではない」ということ。
浄土真宗の葬儀では、故人は「お浄土に参りました」という言い方をします。

つまり亡くなった方は「即仏となりみ仏の国であるお浄土に行く」という考えかたなので、そのような独特な表現をします。
また浄土真宗以外の宗派の葬儀では「清め塩」が用意されているのが一般的。
ところが浄土真宗は「亡くなればすぐに仏さまになる」という教えのため、死をけがれとする考え方がありません。
ですから「清め塩」自体がないというわけです。

浄土真宗の葬儀の特徴-その2-

浄土真宗と他宗の葬儀の特徴的な違いはほかにもあります。例えば他宗では納棺の場面で死出の旅へと向かうための「死装束(しにしょうぞく。以下略します)」を着せることがあります。しかし浄土真宗では「死後はすぐ仏さまになる」という考え方ですから、死装束を着せることはしません。その代わりとして、故人にとって思い出深い服を着せる場合はあるようです。

また日本人には馴染みが深い「友引」や「大安」などの六曜。「友引」は陰陽道の「友引」と混同され、故人が“友をあの世に引っぱっていく”という考え方となり、「友引」の日の葬儀を避ける傾向があります。
しかし浄土真宗では友引の日に葬儀をしても差し支えがないとされています。

浄土真宗の焼香のマナー

葬儀で戸惑ってしまうことの一つが焼香のマナーでしょう。
浄土真宗ではそのマナーも他宗と違います。
香を3本の指でつまむところまでは他宗と同じです。
しかし焼香で見られる香をつまんで額の前まであげる「押しいただく」行為が、浄土真宗にはありません。ここまでは浄土真宗の共通のマナーですが、浄土真宗本願寺派ではつまんだ香をそのまま1回だけ香炉にくべます。
一方真宗大谷派は2回香炉にくべます。

浄土真宗の焼香のマナー

葬儀に参列するうえで一番大切なことは「故人への思い」です。ただ葬儀への参列は、突然の場合がほとんどになります。
ところで日本の寺院の数は、町の至る所にあるコンビニエンスストアよりも多いとされています。
そんな仏教国の日本で浄土真宗の信者数は、国内の第1位と2位を占めているだけではありません。
葬儀が他宗と比べて特徴的です。
よって浄土真宗の葬儀のマナーを知っておけば、役に立つ機会が多いと言えるでしょう。

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