更新日 2018年09月11日

【宗派別作法】曹洞宗の葬儀における作法

【宗派別作法】曹洞宗の葬儀における作法

仏教式のお葬式と言っても、宗派によってその手順や作法が異なります。
宗派ごとの考え方の違いや、手順、作法、マナーの違いを知っておき、葬儀に参列した際に慌てないようにしておきましょう。
今回は、曹洞宗の葬儀における作法やマナーについてご紹介します。

曹洞宗とは

曹洞宗(そうとうしゅう)とは、中国の禅宗五家(曹洞、臨済、潙仰、雲門、法眼)の1種で、日本では禅宗のひとつに分類され
ます。黙照禅(座禅に徹し無念無想となることを修行する禅)であることが特徴です。
曹洞宗はインドのお釈迦様の教えが師匠から弟子へと受け継がれることで、インドから中国、そして日本へ渡ってきました。お釈迦様が原点となっていますので、本尊は釈迦牟尼です。
曹洞宗を日本に伝えたのは永平寺を開いた道元禅師とされており、道元禅師を高祖としてあがめています。

また、總持寺(そうじじ)を開いた瑩山(けいざん)禅師は教えを全国に広めたとして、太祖としてあがめられており、道元禅師と瑩山禅師を「両祖」と呼びます。
この二人に加え、お釈迦様を加えた三師を「一仏両祖」として呼びあがめているのが曹洞宗の特徴です。
拝むときは「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」と唱えます。全国に15000の寺院、12000人の壇信者がいるとされています。

曹洞宗の葬儀の特徴

曹洞宗の葬儀は、故人がお釈迦様の弟子になるために行うものとされています。
弟子になるために必要な戒名や戒法を授けるための授戒を行い、仏の道へ導くための引導を行います。
授戒と引導が曹洞宗の葬儀の大きな特徴です。
葬儀は主に、以下のような流れで行われます。

1.剃髪の儀式
引導を渡す僧侶である導師が故人の剃髪を行う

2.授戒
「酒水(しゃすい)」「懺悔文(さんげもん)」「三帰戒文(さんきかいもん)」「三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)、十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)」「血脈授与」の儀式を行います。

3.入棺諷経(にゅうかんふぎん)
読経、焼香を行います。

4.龕前念誦(がんぜんねんじゅ)
十仏名と回向文を唱えます。

5.挙龕念誦(こがんねんじゅ)
太鼓やハツを鳴らします。

6.引導法語
導師が故人の生前を漢詩で表現し、松明で円を描くことで故人を悟りの世界へ導く

7.山頭念誦(さんとうねんじゅ)
故人の仏性が覚醒するよう祈る

8.出棺

曹洞宗の焼香の作法

曹洞宗の焼香の作法

曹洞宗では、一般的に以下の方法で焼香を行います。

1. 焼香台に歩み寄る
2. 焼香台の2、3歩手前で止まり、ご本尊、遺影、位牌に一礼
3. 焼香台に近づき、右手でお香をつまむ
4. 左手を軽く右手に添えて、お香を額に押ししただき、念じてから焼香
5. 最初の焼香のそばに2度目の焼香をする(その際お香は額に押しいただかない)
6. 数珠を両手にかけ合掌し、礼拝

曹洞宗の葬儀では、香典の表書きには「御霊前」「御香典」と書きます。金額の相場は一般的な葬儀と変わりません。

仏教式の葬儀と言っても宗派によって内容や作法が異なります。
疑問点などがあれば、葬儀社などに相談してみるようにしましょう。

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