更新日 2018年11月13日

【宗派別作法】真言宗の葬儀における作法

【宗派別作法】真言宗の葬儀における作法

真言宗の開祖は弘法大師空海です。平安時代に空海は中国へ渡り密教を学んだ後、日本に持ち帰り真言宗として広めました。日本の仏教の宗派の中で密教の流れを汲んでいるところは二宗あり、真言宗はその一つになります。密教には師匠から弟子に仏の教えを直接伝えるというのが特徴です。そのためお葬式の考え方や作法も他の宗派と異なる点がいろいろあります。ここでは真言宗の概要と葬儀の特徴、焼香のマナーなどをご紹介します。

真言宗とは?

真言宗の開祖は、平安時代初期の僧、弘法大師空海です。空海は中国に渡って真言密教を学び日本に持ち帰った後、真言宗として教えを広めました。現在真言宗は、主だった宗派が16派あり、総本山は18あります。ただ宗派は分かれていても、同じ真言宗同士、教えや作法に大きな違いはないそうです。真言宗では、誰にでも本来備わっている「仏心」を「今」呼び起こす「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」の教えを説いています。また真言宗の教えは、師匠から弟子に直接授ける師資相承により、脈々と受け継がれています。

真言宗の葬儀の特徴

真言宗の葬儀は真言宗の教えに則って行なうので、他宗派とは異なる特徴が多々あります。その中でも特徴的と言われているのが、次の二つの儀式です。

灌頂(かんじょう)

 
灌頂は、空海が日本に持ち帰り伝来した真言宗最高峰の儀式と言われています。本来は修行を積んだ僧が上の位に上がる証として行なわれていました。葬儀では、故人が仏の位に上がるという意味を持ち、故人の頭に水を注ぎかける儀式のことを指します。

土砂加持(どしゃかじ)

土砂加持は、土砂を洗い清めて護摩を焚き、本尊(真言宗は大日如来)の前で『光明真言』というお経を唱えます。この護摩焚きされた土砂は、故人の生前の罪業や苦悩を取り除くと言われています。ですから真言宗では、その土砂をご遺体にかけて納棺するのです。

真言宗のお葬式で気を付けるべきマナー

真言宗の葬儀では、マナーとして気を付けるべき点が二つあります。それは次の通りです。

焼香の正式回数は3回

他の宗派では焼香は1~2回までというところが多いです。しかし真言宗では焼香の回数は原則3回。ただ参加者の人数によっては1回に短縮される場合もあります。焼香の仕方としては、3回ともおしいただくか、または、初めの1回だけおしいただき、残りの2回はそのまま香炉にくべる方法です。

数珠はこすり合わせて

真言宗で使われる数珠は、玉が108個ある「振分数珠」と呼ばれるもの。その数珠は、長いのが特徴です。真言宗では、その数珠を擦り合わせて音を立てます。人間の煩悩の数は108とされていますが、擦り合わせて音を立てることで108の煩悩を砕くという意味があるそうです。よって真言宗の葬儀では他宗に比べ、数珠の意味合いが大きいと言われています。ですから、可能ならば真言宗の正式な数珠を用意するようにしましょう。

【宗派別作法】真言宗の葬儀における作法

葬儀とは「故人の死を弔うために行なわれるもの」であり、また「故人をこの世からあの世へと見送るための宗教的儀式」でもあります。ですから、葬儀に参列する前に最低限、故人の宗派のマナーは捉えておきましょう。そうすれば葬儀で慌てることもなく、ちゃんと故人を見送ることができます。以上より、他の宗派のお葬式に足を運ぶときは必ず、その宗派のご葬儀のマナーをおさえたうえで参列するようにしましょう。

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