更新日 2019年01月22日

忌明けを意味する「精進落とし」とは

忌明けを意味する「精進落とし」とは

精進落としとは、現代では僧侶や親族、葬儀の参列者の労をねぎらい感謝するために設けられる会食をさします。
一連の儀式のひとつですが、本来の意味や目的を知っておくと、精進落としへの理解が深まり、心を込めて対応することができるでしょう。
今回は精進落としの概要と由来、流れ、遺族が注意をすべき点についてお伝えします。

精進落としとは

精進落とし(しょうじんおとし)とは、葬儀でお世話になった僧侶や親族、会葬者をねぎらうために設ける会食のことです。
宗派によっては精進上げやお斎と呼ぶこともあります。
仏式のお葬式では、お通夜と葬儀・告別式の後に火葬が行われ、その後に初七日法要が営まれますが、この初七日法要の後におこなわれるのが現在一般的です。

従来、精進落としは、四十九日の法要をとり行い、忌中を終え忌明けをするタイミングで行われていました。
それは、殺生を避ける仏教の考え方にしたがって遺族が肉や魚を断ち、故人が極楽浄土に旅立てるかどうかが決まる四十九日まで精進料理を食したという習わしからきています。
四十九日で故人を見送ると同時に、遺族は食事を通常のものに戻していました。

しかし現在では、葬儀でお世話になった関係者を招いて宴席で労をねぎらい、葬儀を無事に終えたことへの感謝やお清めとする意味合いが強くなっています。

精進落としの流れ

葬儀の参列者が精進落としの会場に集まったら、喪主もしくは故人と特に親しかった方を代表者とし、開始の挨拶をします。
続いて献杯がおこなわれ、食事が始まります。参加者の様子を見て1~2時間程度で切り上げましょう。
会の終了には喪主が挨拶をして締めます。

僧侶が参加している場合には、会食が終わる前にお布施を渡すのを忘れないようにしてください。
あらかじめ不参加が分かっている場合には、お膳料(食事代)やお車代(交通費)をお布施に添えて渡します。

精進落としは遺族が僧侶や関係者をもてなす席なので、席順に注意が必要です。
僧侶が上座で、故人側の親族、他親族、故人の知人や友人等の関係者と続き、遺族は下座になります。遺族は、会食の席が滞りなく進んでいるか気を配りましょう。

精進落としで遺族がすること

精進落としの間にも遺族にはやることがあります。
開始の挨拶を喪主がする場合は、葬儀が無事に終わったことへの感謝と故人を偲ぶ気持ちを言葉にし、手短にまとめるのがマナーです。

挨拶に続く献杯は、静かにおこないましょう。
出席者に「ご唱和ください」と伝えてから「献杯」と発声し、杯を軽く持ち上げます。故人の死を悼む場ですから、杯を合わせません。

食事が始まってからは、お酒もしくはソフトドリンクを勧めて回り、ひとりひとりに葬儀参列へのお礼を伝えます。
終わりの挨拶では再度お礼を述べ、四十九日の法要や納骨のスケジュールが決まっていれば、その場でお知らせしておきましょう。

枕花を贈る際のマナーや注意点

精進落としとは、故人が亡くなった日からあの世へ旅立つまでの49日間、仏教の教えにしたがって遺族が殺生を断っていたことがその由来です。
現在では、葬儀の際に精進落としをおこなうことが一般的になりつつあります。

そのように儀式が変化している中で、故人の家族や親類、仕事の関係者などが集まる機会は貴重なものといえます。
食事をしながら故人の思い出話に花を咲かせ、故人を偲ぶ時間を持ってもらうことが、忙しい現代では何よりの供養になるのかもしれません。

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