更新日 2019年01月23日

【宗派別作法】臨済宗の葬儀における作法

【宗派別作法】臨済宗の葬儀における作法

葬儀は故人との本当の意味でのお別れになります。ですから参列者としては、きちんと故人を見送りたい、感謝の気持ちをちゃんと最後に伝えたいと当然ながら思っていることでしょう。
しかし葬儀の流れやマナーなどを知らずに参列してしまうと、それらにばかり気を取られてしまい、故人への想いどころではなくなってしまうかもしれません。
ここでは日本の禅宗のひとつである臨済宗の概要と葬儀の特徴、焼香のマナーなどをご紹介します。

臨済宗とは?

臨済宗は、臨済宗妙心寺派や相国寺派、建長寺派など14派からなる禅宗です。
中でも臨済宗妙心寺派は日本で最大級の禅宗になります。臨済宗のお寺は7,000ほどあるとされていますが、そのうち約3,400ものお寺が妙心寺派だそうです。
臨済宗の教えは、我々人間に本来備わっている尊厳で純粋な人間性(仏性)を坐禅・読経などの修行を通して自覚することを旨としています。
つまり臨済宗は、自分自身をみつめることで悟りを開き仏に近づくことを目指しています。臨済宗の葬儀には、故人に仏の道を気づかせ執着を捨てて成仏させるという意味があるそうです。
そのため、臨済宗の葬儀には他宗とは異なる特徴がいくつかあります。

臨済宗の葬儀の特徴

臨済宗の葬儀では、故人の成仏を願う「往生咒(おうじょうしゅ)」を唱えます。
その際、シンバルのような妙鉢(みょうはち)という楽器を用いて激しく音を鳴らす光景を目にされると思います。
おそらくこの様子をはじめてみる参列者は、その音のけたたましさに驚かれるのではないでしょうか。
またそのあとに行なわれる「引導法語」という故人を仏の道に導くための法語を唱える際、導師(葬儀において複数の僧侶の中で最も重要な役目をする僧侶)が突然「喝!」と叫びます。この一喝する理由ですが、死者の今生への迷いを断ち切り、悟りの世界へと導くためです。しかし葬儀の最中に「喝!」と叫ばれることを知らない参列者の中には、一瞬呼吸を忘れてしまいそうになるほど驚かれる方もいらっしゃるそうです。でもこちらをお読みくださった皆さまは大丈夫ですね。

臨済宗の焼香のマナー

既述の通り、臨済宗は14派に分かれています。14もの宗派があれば焼香の回数などマナーに差異がありそうですが、臨済宗の葬儀に関しては宗派によるマナーの違いはほとんどないとされています。
ここでは、一般的とされている臨済宗の焼香のマナーをご紹介したいと思います。まず焼香の回数ですが、基本的に1回とされています。また焼香の仕方は次の通りです。

1:仏前で合掌し、礼拝する
2:焼香をつまみ、香炉にくべる
3:合掌して礼拝する

臨済宗の焼香は、額に押しいただくことはしません。あとお線香に関しては、1本だけさすことになっています。
この「焼香の回数は1回で、額に押しいただかない」「お線香は1本しかささない」というところに気を付ければ、臨済宗の焼香のマナーは基本的に大丈夫でしょう。

枕花を贈る際のマナーや注意点

葬儀に参列するうえで一番大事なことといえば、「故人の死を悼み、心からご冥福をお祈りすること」に間違いないと思います。
ただ、臨済宗の葬儀に初めて参列するとはいえ、その流れやマナーをまったく知らずに参列することは、「一人のおとな」として恥ずべき行為ではないでしょうか。
ですから、参列者の最低限のマナーとして、臨済宗の葬儀の流れや特徴をしっかりと理解したうえで葬儀に参列することが大切になってきます。

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