更新日 2017年06月13日

お彼岸について

暑さ寒さも彼岸まで・・・というように、お彼岸は四季を持つ日本にとって、穏やかで、過ごしやすい季節の訪れを感じさせてくれます。お彼岸の期間は、春分と秋分の日を中日として、その前後3日間を合わせた1週間にあたります。
初日を「お彼岸の入り」、終日を「お彼岸のあけ」といいます。春分と秋分の日には、太陽が真東から出て、真西に沈みます。昼と夜の長さも同じになることから、気候も快適になるのでしょう。
「彼岸(ひがん)」は、サンスクリット語の「パーラーミータ(波羅蜜多)」に由来します。パーラーとは「向こう岸」を、ミーターは、「渡る」を意味しま す。つまり「彼岸」は悟りの世界をいいます。
これに対して、私達の住む迷いの世界を「此岸(しがん)」といいます。仏教には、西方浄土といって西に極楽があると考えられています。春分と秋分の時期に、ご先祖様のご供養をするということは、
心の持ちようで私達も彼岸に行くことが最も可能な時ということになるでしょう。深くご供養を心がければ、彼岸にいったことと同じことがいえるのです。
お彼岸は日本独自の習慣で、彼岸の入り前からお仏壇をきれいに掃除し、お供えをし、ご先祖様をご供養します。 お供えの代表的なものとして、餅米を軽くついてちぎった餅を丸め、小豆あんやきな粉をまぶしたもので、
春なら牡丹餅、秋ならおはぎがあります。どちらも季節の花にたとえられたものとされています。

彼岸とは極楽浄土へ到達すること

春と秋には六波羅蜜の教えを彼岸とは「到彼岸」を略したもので、文字通り彼岸へ到達するという意味です。彼岸とは悟りの世界を意味し、迷いや苦悩に満ちたこちら側の岸(此の岸)に対 して、あちら側の岸(彼の岸)を指しています。つまり極楽浄土の事を意味しています。では、どうしたら極楽浄土の岸へ渡れるのでしょうか?仏教には六波羅蜜の教えというのがあります。

『布施』 他人へ施しをする事。
『持戒』 戒を守り、反省する事。
『人辱』 不平不満を言わず耐え忍ぶ事。
『精進』 精進努力する事。
『禅定』 心を安定させる事。
『智慧』 真実を見る智慧を働かせる事。

こうした教えの数々は本来ならば毎日心がけるべきなのですが、日頃は忙しくて中々実行できないのが現実のようです。そこで、せめて春と秋の年に2回位は実践しようというのが、お彼岸法要の意味です。
お彼岸には、先祖のお墓にお参りし、感謝と冥福を祈るとともに、六波羅蜜の教えを実行しましょう。

お彼岸にはお墓をキレイに
お彼岸には出来るだけ家族揃ってお墓参りしましょう。特別な作法はありません。墓石をキレイに洗い、お墓の周囲も掃除して花や線香をたむけ、お菓子等もお供えします。
合掌礼拝の前に水桶からたっぷりと水をすくい、墓石の上からかけます。水をかけるのも供養の一つです。
また家庭では仏壇を掃除し、新しい花、ぼたもち・おはぎ等をお供えします。

彼岸会にも参加しましょう
お寺ではお彼岸の期間に「彼岸会」の法要が営まれます。読経や法話などが行われますので、お墓参りの折りには彼岸会にも参加してご供養をお願いしましょう。
忙しくて時間が無い場合でも、本堂のご本尊へのお参りとご住職への挨拶は欠かさないようにしたいものです。

春のぼたもち 秋のおはぎ

お彼岸のお供えに欠かせない「ぼたもち」と「おはぎ」。両方とも、蒸した餅米とアンコの同じ素材で作られる食べ物ですが呼び方が違います。
それは季節の花になぞらえているからです。つまり、牡丹の季節(春彼岸)にお供えするのが「ぼたもち」で、萩の季節(秋彼岸)にお供えするのを「おはぎ」と言います。

供花注文書 ダウンロード
(プリントアウトしてお使い下さい)